レーシック手術後、多くの方が気になるのは、視力が再び低下するかどうかです。通常、近視は25歳前後で安定する傾向があり、レーシック手術後に再び近視が進むことは稀なケースです。ただし、手術後に新たな近視が発生したり、近視が戻るケースも報告されていますので、ここではレーシック手術後の視力の変化についてご紹介していきます。
レーシック手術で回復可能な症状について
レーシック手術で、改善可能な症状としては、近視、遠視、乱視および老眼があげられます。また、「短時間で手術が終了する」「手術後の視力回復が速い」ことがレーシックの特徴になりますが、多くの患者様は手術翌日には1.0~1.5程度の裸眼視力に回復していることが一般的です。ただし、レーシックは白内障による視力低下の治療には適していないため、白内障を治す場合は白内障手術が必要です。当院は、白内障手術や老眼治療、円錐角膜の治療なども行っていますので、目の病気でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
*老眼については、遠近両用のレーシックプログラムを使用するため、通常のレーシックとは照射の仕組みが異なります。また、最新のレーザーでしか対応していませんので、すべてのレーザーで老眼の治療ができる訳ではありません。当院では、遠近両用レーシック「プレスビーマックス・ハイブリッド」を導入していますので、老眼の治療を検討されている方は是非ご相談ください。
レーシック手術後の視力低下について
レーシック手術やICL手術の目的は、現状の視力を回復させることにありますので、近視の発生を予防する目的の手術ではないことを知っておく必要があります。通常、レーシック手術で回復した視力はそのまま持続する傾向にあります。ただし、稀にではありますが、手術後に近視や遠視が発生することがあります。その傾向としては、もともと強度の近視や乱視がある場合により多く見られます。再び近視が現れる場合、それは主に手術後1年以内に発症することが一般的です。手術前に行う適応検査において、現在の角膜の厚みや眼の状態から、どのくらい視力の回復が期待できるか、視力が低下した場合に再手術ができるかについて、ある程度予測することができますので、気になる方は診察の際にご相談ください。
目を酷使すれば新たな近視が進行することも
レーシック手術で視力が回復すると、今までとは違った世界になると思います。ただし、視力が回復したからといって、パソコン作業やスマホ、ゲームなどで常に近くを見る生活習慣を継続すると、新たな近視が発生することもあります。また、長時間に渡って近くを見続ける生活を続けると、そのままの状態(近くを見続けた状態)で凝り固まってしまい、自分で近視を作ってしまうこともあります。同じ姿勢でいると筋肉が凝り固まってしまうので同じ原理です。この状態が慢性化してしまうこともあり、せっかく改善した視力を自分で低下させてしまうケースもあります。
近視の戻りを予防するためには?
近視の進行は20代半ばで落ち着いてくるので、レーシック手術後に更に近視が進行するということは稀なケースになります。しかし、パソコンやスマホなど近くを見ることが多い環境で生活していると、レーシックで視力を回復しても新たな近視の進行が見られる場合があります。人間の目は、日々の生活環境に順応しようとしますので、近い距離ばかりを見ていると近視が発生してしまうという訳です。近視を予防するには、定期的に目を休めてあげる必要があります。2時間に1回は10分~15分程度の休憩を挟み、遠くを見るなどして目を休めることが必要です。人間の目は、近くを見ている時は緊張状態にあり、遠くを見ている時はリラックス状態にあります。そのため、近くを見続けることで緊張状態が続くと目を酷使することになり、近視が進行してしまうという訳です。せっかく回復した視力は大切にしていただけたらと思います。
近視の戻りを予防する角膜強化型レーシック
レーシック手術においては、ごく稀に、長期間を経て視力が再び低下するケースが報告されています。これは、手術で削られた角膜が眼内圧によって前方に突出し、徐々に膨らむことが原因と考えられています。レーシックを受けた全ての患者に近視が戻るわけではなく、また元の状態に戻るわけでもありませんが、近視の再発はレーシック手術の課題の一つでした。この問題に対処するために当院の冨田院長が考案したのが、角膜強化法(クロスリンキング)を組み合わせた「角膜強化型レーシック」です。この方法では、角膜の強度を手術前の水準に回復させることが可能で、近視の戻りだけでなく、合併症の予防にも効果があります。現在、「角膜強化型レーシック」は世界中で行われ、レーシックの安全性が高まり、近視が戻るリスクも低減しています。
まとめ
レーシック手術やICL手術などの視力回復手術は、近視を予防する目的の手術ではないので、視力が回復したからといって、目を酷使するような生活を続けると新たな近視を生み出してしまうことがあります。また、近くを見続けるという行為は、目の緊張状態が続くことを意味しますので、結果的に目を酷使することに繋がります。また、パソコンやスマホなどを長時間見続けると、近くを見た状態で凝り固まってしまい、近視の状態になることがあります。目を休めることで回復しますが、近視の状態が慢性化してしまうと、そのまま近視が残ってしまうこともあります。自分で近視を作ってしまっている状態になるので、せっかく回復した視力が勿体ないことになります。仕事でもプライベートでも近い距離を見ることが多い現代社会では、目が休まる時間が少なくなっていますので、ご自身で意識して目を休めることを心掛けることが大切です。
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