レーシックは、世界中で行われている視力回復手術になりますが、日本国内でもレーシック手術を受けた人は120万人に上ります。この手術は、フェムトセカンドレーザーで角膜の上層部にフラップ(蓋)を作り、フラップをめくってエキシマレーザーを照射することで屈折異常を矯正します。これにより、近視、遠視、乱視が改善されます。レーシックが普及してから30年が経過しますが、この間に手術で使用するレーザーも進化を遂げています。
レーザーの性能は手術の結果に直結しますので、ここではレーシック手術に使用するレーザー機器について詳しく紹介します。
レーシックに使用する2つのレーザー
レーシックとは、角膜(黒目)にレーザーを照射して、近視、遠視、乱視を矯正する手術です。手術の工程は、フラップ作成を屈折矯正の2つが主な工程になります。手術に要する時間は数分ほどで、術後はそのまま帰宅できる状態まで視力が回復します。手術当日は視界が霞んで見えますが、翌日にはクリアな状態になりますので、即効性のある視力回復手術になります。フラップを作成する手術工程ではフェムトセカンドレーザーを使用し、屈折異常を矯正する手術工程ではエキシマレーザーを使用します。この2つのレーザー機器にも様々な機能が搭載されていますが、最新のレーザー機器は手術の精度が格段に向上していますので、クリアな視界が得られると人気が急上昇しているICL手術と比較しても、それほど見劣りすることはありません。ただ、古いレーザー機器は、照射スピード、照射方法、レーザーのエネルギー、照射スポットなどが発売当時のままなので、新しく発売された検査機器に追いつけないレーザーもあります。手術に使用するレーザー機器の性能は、手術の結果に直結しますので、レーシック手術を成功に導くにはレーザー機器が重要な役割を果たします。
フラップを作成するフェムトセカンドレーザー
レーシック手術では、フェムトセカンドレーザーを用いて角膜の表面に「フラップ」という蓋を作成します。このフラップは手術後の痛みを大幅に軽減する役割があり、フラップを作成する工程が加わったことでレーシック手術が飛躍的に普及したと言っても過言ではありません。フェムトセカンドレーザーが登場したのは1990年代後半になりますが、以前はマイクロケラトームという眼科用カンナでフラップを作成していました。マイクロケラトームは人間が操作しますので力加減によってはトラブルが起こることもありました。フェムトセカンドレーザーは均一な厚さのフラップ作成を可能とし、フラップ作成の過程で起こるトラブルも大きく減少しました。しかし、レーシックが普及してから約30年が経過しますが、日本国内では今でも当時のレーザーが稼働していますので、最新のレーザー機器と比較すると手術の精度に大きな格差があります。当院では、最新のフェムトセカンドレーザー「フェムトLDV-Z8」を導入していますが、照射エネルギー、照射スピード、照射スポット、フラップエッジなどあらゆるテクノロジーが、当時のレーザーとは比べ物にならないほど進化しています。
屈折異常を矯正するエキシマレーザー
レーシックが普及してから30年以上が経ちますが、エキシマレーザーも大きく進化しています。しかし、フェムトセカンドレーザーと同様に、日本国内では当時のエキシマレーザーが今も稼働しています。エキシマレーザーにも様々な機能が搭載されていますが、手術の正確性を左右するのがアイトラッキングシステムになります。この機能は、手術中の目の動きを追いかけてレーザーを照射する機能になりますが、30年以上前に発売されたレーザーは平面の動きしか追いかけられない2次元アイトラッカーしか搭載されていませんでした。しかし、眼は球体をしていますので、その動きは立体的です。平面しか追いかけられない2次元アイトラッカーでは限界があり、すべての目の動きを追いかけることは不可能でした。当院では、最新のエキシマレーザー「8次元アマリス1050RS」を導入していますが、立体的な目の動きを8次元で追いかけられますので、レーザーの照射精度が格段に向上しています。また、1秒間に1050発のレーザーを照射できますが、1秒間に1050回のスキャン性能を兼ね備えていますので、発射されたレーザーをすべて追尾できる機能を持っています。レーザーを照射した角膜の表面を滑らかに仕上げるスマートパルステクノロジーを搭載していますので、当時のレーザーとは比べ物にならないほどレーザーの性能は進化しています。8次元アマリス1050RSを使用することで、ICL手術と遜色のないクリアな視界を提供することができます。
30年以上も前に発売されたレーザーが今でも稼働している?
まとめ
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