レーシックで視力回復を検討されている方の中には、手術後のドライアイ症状を心配されている方もいると思います。レーシックは、手術時間が数分と短く、翌日から視力が回復するため日本でも20年以上前から行われています。最近では、ICLというレンズを使用した視力回復手術も普及してきましたが、術後にドライアイ症状が起こりにくいというメリットがレーシックと比較されています。ここでは、レーシック後のドライアイ症状について紹介していきます。
ドライアイ症状について
はじめに、ドライアイ症状について簡単に説明いたします。当院にもドライアイで来院される方は大勢いらっしゃいます。ドライアイの症状にも軽度なものから重度なものまでありますが、一般的には「目の乾き」「目の異物感」「目がゴロゴロする」といった症状を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
実際のドライアイ症状には「涙の量」と「涙の質」が大きく関係しています。涙は、目を潤す働き以外にも異物の侵入を防いだり、侵入してきた異物を洗い流す働きがあります。
この涙の量が減少するとドライアイの症状を引き起こします。また、涙は油層、涙液層、ムチン層の3つの層で構成されていますが、このバランスが崩れると質が低下してドライアイ症状を引き起こします。
・油層・・・まぶたの裏にあるマイボーム腺から分泌される油分で涙の蒸発を防ぎます。
・涙液層・・・別名で水層ともよばれ目に潤いと栄養を行き渡らせる働きがあります。
・ムチン層・・・粘着性があり涙を目に留まらせる働きがあります。
ドライアイの原因
コンタクトレンズを使用している方の多くはドライアイを経験されていると思いますが、日本はドライアイになりやすい生活環境に囲まれているので、ドライアイ患者の数は増加傾向にあります。ドライアイは老化によっても発症しますが、最近では環境的要因が関係するドライアイ症状が増加傾向にあります。主に、エアコンによる室内の乾燥、パソコンやスマホなどを長時間見続けることによる瞬きの減少などがあげられますが、スマホやパソコンの画面に集中すると、瞬きの数が減少して涙の分泌が低下します。また、涙を蒸発から防ぐ油分の分泌量も減ってしまうので、涙の質が悪くなって涙が蒸発しやすくなります。また、アイメイクや薬の副作用、結膜炎などもドライアイの原因になるので注意が必要です。
日本のドライアイ患者は、2,200万人と推定されていますのが、重症化すると角膜に傷がついて細菌が入り込むこともあるので軽視は禁物です。
レーシック後のドライアイ症状について
レーシック後のケアについて
レーシック後のドライアイ症状は一時的なものが一般的です。手術後は、ドライアイ症状を緩和する点眼薬を処方しますので、「ドライアイかな」と感じたら点眼薬をご使用ください。
また、手術直後は目がデリケートな状態なので、目を酷使することなく休めてあげることも必要です。視力が回復したからといってスマホやパソコンなどを見すぎるとドライアイの原因にもなりますので、回復した視力は大切にしてください。
ドライアイの専門外来について
まとめ
コンタクトレンズから解放されることで、レンズが原因のドライアイも緩和されますし、花粉に時期も楽になると思いますので、レーシック手術をご検討の方は是非ご相談ください。
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