はじめに
ICL手術は角膜を削らないため、近視が戻りにくいという情報は正しい情報です。しかし、ICL手術は、近視や乱視を治療することが目的の視力回復手術になりますので、新たな近視の発生を予防する効果はありません。視力が回復すると、今まで近視や乱視で苦労してきたことを忘れがちになりますが、せっかく視力が回復しても、目を酷使すれば別の近視が発生することもありますので、回復した視力は大切にしていただきたいと思います
この記事では、ICL手術後に発生する近視について詳しく解説します。
新たな近視が発生することも
ICL手術は、裸眼で物が見えるようになることで、今までとは世界が違って見えるかもしれません。近視や乱視が改善されて、裸眼で物が見えるようになり、色も鮮明に感じる方も多いと思います。近視や乱視が改善したことで、スマホやパソコンも見やすくなると思いますが、目を酷使する生活を続ければ、新たな近視が発生することもありますので、注意が必要です。特に、近年はスマホやパソコンが普及して、近くを見続ける機会が多くなっていますので、意識していなくても目を酷使する環境に囲まれていると言えます
自分で近視を作り出してしまっていることが多く見受けられます
ICL手術後に近視が戻ったという声を耳にすることがありますが、自分で近視を作ってしまっているケースがほとんどです。ただ、自分で近視を作ると言っても、「どうやって近視を作っているの?」と疑問に思われる方も少なくないでしょう。これは、近くを見続ける時間が多い人に見られる症状で、世間では「スマホ老眼」とも言われている症状になります。
スマホ老眼ってなに?
スマホ老眼とは、ニュースなどでも取り上げられていますが、近くを見続けることで、ピント調節機能がうまく働かなくなっている状態です。人間の目は、遠くを見ている時はリラックス状態にありますが、近くを見ている時は緊張状態にあります。スマホやパソコンを長時間見続けると、目は緊張状態が続くことになり、相応の負担がかかっているのです。
最近、歩きながらスマホを見ている人が多く見受けられますが、見ている本人は目が緊張状態にあるなんて考えていないかもしれません。しかし、緊張状態に置かれている時間が長ければ長いほど、そのままの状態で凝り固まってしまい、近視の状態が慢性化してしまうこともあります。今までと同じように普通に生活しているつもりかもしれませんが、その生活の中で近視になっていたことを忘れないで欲しいと思います。
新たな近視を発生させないためにはどうすればいいの?
新たな近視を発生させないためには、目を休めてあげることが重要です。ずっと緊張状態が続けば、精神的にも肉体的にも疲弊してしまうのと同じように、目も緊張状態が続けば疲弊してしまいます。その結果、新しい近視が発生してしまうという訳です。近視を予防するには、目の緊張を和らげて、目をリラックスさせてあげることが重要です。まずは、近くを見ることが多い生活環境であることを理解して、意識的に遠くを見る時間を作ってあげることが大切です。運動したら、体を休める時間を取るのと同様に、目にも休息時間を作ってあげましょう。
・2時間に1回は10分~15分ほど遠くを見る時間を作る
・目が疲れていると感じた時はスマホを見る時間を少なくする
・就寝前は、最低でも1時間前からスマホを見ない
・目の周囲を蒸しタオルなどで温める
・スマホやパソコンを見ている時は瞬きが減るのでドライアイ用の点眼薬を活用する
・目を休める日を作る
※怪我などで目の周りに腫れがある時は冷やすほうが有効な時もあります
改善した視力は大切に!
ICL手術は、今ある近視や乱視を改善することは出来ますが、近視の発生を予防する手術ではありませんので、そのことを理解していくことが重要です。視力が下がったと相談に来られる大半の方が、自分で近視を作っていることが確認できますので、視力が下がったのではなく、視力を下げてしまった状態であることを事前に知っておいてください。激しい運動で身体を酷使すれば、相応の疲労が出るように、目も酷使すれば疲労が蓄積しますので、意識的に目を休めてあげることが、視力低下を防ぐことに繋がります。
ICL手術で良く見えるようになると、色々な物を見ること自体が楽しくなりますが、改善した視力が永遠に続くわけではないことを理解しておくことが必要です。自分では、目が緊張しているのか、リラックスしているのか自覚症状はありませんので、今まで以上に目に負担をかけない生活を意識することがポイントになります。
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