ICL手術は、眼の中にレンズを挿入して近視や乱視を改善する視力回復手術になります。手術後も良好な裸眼視力が維持できますので、スポーツをされる人にも適している手術であると言えます。普段からジムやランニングなど定期的に運動されている方や、特定の競技をされている方は、手術後に運動を再開できる時期も気になるところだと思います。
ここでは、手術後に運動を再開できる時期や、ICL手術には向いていないスポーツについて解説していきます。

ICL手術は日帰り手術になりますので、手術が終わればご帰宅いただくことができます。
手術直後は入浴や仕事、メイクなど少しの期間ではありますが制限される項目がいくつかありますが、運動もその一つですので、注意事項を守って過ごしていただくことが大切です。
手術直後は、炎症などが原因で見えづらさを感じることもありますが、時間の経過とともにレンズを挿入した切開創も治ってきますので視力も安定してきますが、手術直後の運動は控えていただく必要があります。軽い運動であれば2週間後から、激しい運動は1ヶ月後からが再開の目安になりますが、手術後の経過には個人差もあるので、スポーツをされている方は定期検診の際に医師の指示を仰ぐとよいでしょう。以下に運動を再開する目安を紹介しておきますので、参考にしてください。

長年コンタクトレンズやメガネで過ごしてきた方は、スポーツ（運動）をする際に不便な思いをされたことがあったと思います。メガネは、視界が狭くなりますし、冬場はレンズが曇ってしまうことも。コンタクトレンズは、砂やほこり、花粉などが角膜とレンズの間に入り込むと、目の痛み、痒み、充血など不快な症状を引き起こす原因になります。ICL手術後は、裸眼でスポーツを楽しむことができますので、快適にスポーツライフを楽しんでいただくことができると思います。しかし、ICL手術は目の中にレンズを挿入する手術になりますので、激しい衝撃を受ける可能性がある格闘技には適していません。顔や目に激しい衝撃を受けると、レンズが偏位（ズレて）してしまうことがあります。レンズがズレてしまうと視力にも大きな影響が出ますが、柔らかいと言ってもレンズが目の中に入っていますので、とても危険です。これは、フラップを作成するレーシックにも同じことが言えます。レーシックも激しい衝撃を受けるとフラップがズレてしまう可能性があるので、ICL手術と同様に格闘技をされている方には適していません。

ICL手術は、目の中にレンズを挿入する手術になりますので、目に激しい衝撃が加わると非常に危険です。また、大きな大会に出る選手やプロの格闘家などは、例え試合中にレンズがズレてしまったとしても、競技を継続してしまうこともあるかもしれません。レンズがズレると視力にも大きく影響しますので、その状態で競技を続けることは非常に危険です。
しかし、顔や頭部に激しい衝撃を受ける可能性がある格闘技をされている人の中にも、視力の悩みを抱えている人もいると思います。もし、視力回復手術を検討されている場合は、ラゼックやスマートといった視力回復手術が適しています。この手術はレーシックと似た性質を持っている視力回復手術になりますが、フラップを作成しない術式になります。
当院では、多くの格闘家の方が手術を受けられていますので、視力回復手術を検討されている場合はご相談いただければと思います。

ICL手術といっても万能な手術ではないので、激しいスポーツをする人には向いていない術式になります。もちろん、手術という医療行為に伴うリスクもありますが、格闘技などで激しい衝撃を受けた場合、目の中にレンズを挿入していること自体がリスクになってしまうこともありますので、取り組んでいるスポーツに適した視力回復手術を選択することが重要になります。