冨田実アイクリニック銀座

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症例集

冨田実アイクリニック銀座が提供する白内障手術
当院では、15種類以上の多焦点レンズを導入して、患者様の目の状態や生活スタイルに適したレンズをご提案しています。多焦点レンズによる白内障手術は、白内障と同時に老眼も治療できるメリットがありますので、ご相談いただく患者様も年々増加しています。もちろん、乱視の強い方には乱視用のレンズもご用意できますので、老眼も乱視も改善することが可能です。ただし、多焦点レンズによる白内障手術は、手術の正確性が求められますので、単焦点レンズによる手術と区別して考える必要があります。

当院では、レーザー白内障手術を導入しておりますので、多焦点レンズによる白内障手術も正確で安全性の高い手術を提供することができます。

手術の時期について

白内障の進行状態だけではなく老眼の治療も視野に入れた手術の時期を
検討することが重要
白内障になると、眩しさ、目のかすみ、視力低下、物が二重に見えるといった症状が現れます。見え方に影響してきた時期が、手術を検討する時期と言われていますが、単焦点レンズによる手術は、手術の時期をギリギリまで待つ傾向があります。しかし、多焦点レンズは、白内障と同時に老眼も治療できるレンズ特性があるので、早い時期に手術を受けた方が多くのメリットを得ることができます。

日本では、まだまだ単焦点レンズしか扱っていない医療機関が多くを占めているため、手術をお勧めする時期が遅くなる傾向がありますが、多焦点レンズでの白内障手術をご検討の方は、レンズの特性を活かすためにも、白内障の進行状態だけではなく老眼の治療も視野に入れて手術の時期を検討することが重要なポイントになります。

症例)白内障手術(3焦点レンズ)

白内障手術(3焦点レンズ) ケース1
職業 主婦
性別
年齢 71歳
術式 レーザー白内障手術
術眼 両眼
レンズ右 トリノバベストフォーカスレンズ(乱視)
レンズ左 Super fine vision(乱視)
手術前の視力
右眼
術前/遠方視力 0.60
術前/近方視力 0.40
術前/中間視力 0.40
左眼
術前/遠方視力 0.10
術前/近方視力 0.40
術前/中間視力 0.20

手術後の視力
右眼
術前/遠方視力 0.90
術前/近方視力 0.80
術前/中間視力 0.80
左眼
術前/遠方視力 0.80
術前/近方視力 0.80
術前/中間視力 0.80

白内障手術(3焦点レンズ) ケース2
職業 税理士
性別
年齢 72歳
術式 レーザー白内障手術
術眼 両眼
レンズ右 Super fine vision
レンズ左 Super fine vision
手術前の視力
右眼
術前/遠方視力 0.03
術前/近方視力 0.10
術前/中間視力 0.08
左眼
術前/遠方視力 0.02
術前/近方視力 0.08
術前/中間視力 0.08

手術後の視力
右眼
術前/遠方視力 1.00
術前/近方視力 1.00
術前/中間視力 1.00
左眼
術前/遠方視力 0.90
術前/近方視力 0.80
術前/中間視力 0.90

白内障手術手術(3焦点レンズ) ケース3
職業 主婦
性別
年齢 71歳
術式 レーザー白内障手術
術眼 両眼
レンズ右 Super fine vision(乱視)
レンズ左 Super fine vision(乱視)
手術前の視力
右眼
術前/遠方視力 0.60
術前/近方視力 0.40
術前/中間視力 0.40
左眼
術前/遠方視力 0.10
術前/近方視力 0.40
術前/中間視力 0.20

手術後の視力
右眼
術後/遠方視力 0.90
術後/近方視力 0.80
術後/中間視力 0.80
左眼
術後/遠方視力 0.80
術後/近方視力 0.80
術後/中間視力 0.80

白内障手術手術(3焦点レンズ) ケース4
職業 税理士
性別
年齢 72歳
術式 レーザー白内障手術
術眼 両眼
レンズ右 Super fine vision
レンズ左 Super fine vision
手術前の視力
右眼
術前/遠方視力 0.03
術前/近方視力 0.10
術前/中間視力 0.08
左眼
術前/遠方視力 0.02
術前/近方視力 0.08
術前/中間視力 0.08

手術後の視力
右眼
術後/遠方視力 1.00
術後/近方視力 1.00
術後/中間視力 1.00
左眼
術後/遠方視力 0.90
術後/近方視力 0.80
術後/中間視力 0.90

白内障手術手術(3焦点レンズ) ケース5
職業 主婦
性別
年齢 66歳
術式 レーザー白内障手術
術眼 両眼
レンズ右 トリノバベストフォーカスレンズ
レンズ左 トリノバベストフォーカスレンズ
手術前の視力
右眼
術前/遠方視力 0.03
術前/近方視力 0.08
術前/中間視力 0.08
左眼
術前/遠方視力 0.03
術前/近方視力 0.08
術前/中間視力 0.08

手術後の視力
右眼
術後/遠方視力 1.20
術後/近方視力 0.90
術後/中間視力 0.90
左眼
術後/遠方視力 1.00
術後/近方視力 0.80
術後/中間視力 0.80

白内障手術手術(3焦点レンズ) ケース6
職業 主婦
性別
年齢 75歳
術式 レーザー白内障手術
術眼 両眼
レンズ右 トリノバベストフォーカスレンズ(乱視)
レンズ左 トリノバベストフォーカスレンズ
手術前の視力
右眼
術前/遠方視力 0.05
術前/近方視力 0.10
術前/中間視力 0.10
左眼
術前/遠方視力 0.08
術前/近方視力 0.30
術前/中間視力 0.20

手術後の視力
右眼
術後/遠方視力 1.20
術後/近方視力 0.60
術後/中間視力 0.90
左眼
術後/遠方視力 1.20
術後/近方視力 1.00
術後/中間視力 1.00

白内障手術の注意事項

白内障手術は、最も多く行われている眼科手術ですが、手術である以上はまったくリスクが無いという訳ではありません。当院では、最先端の検査機器を導入し、クリーンルームを完備するなどして合併症の防止に取り組んでおります。医療技術の進歩によって白内障手術も日帰りで行えるようになり、合併症のリスクも大幅に減少していますが、それでも手術のリスクをゼロにすることはできません。合併症といっても必ず起こるというものではないので、過度に心配することはありませんが、手術を受けていただく上で、どんなに稀なケースであっても下記のような合併症が起こる可能性があることを知っておくことが大切です。

前房内出血

虹彩に挿入した器具やレンズが当たることで、前房(角膜のすぐ裏側にある空間)内に出血することがあります。軽度の出血は術後数日で自然吸収されます。

虹彩離断

虹彩離断は、器具の先端が虹彩に接触することで、眼内手術の合併症としても起こる場合があります。部分的な虹彩離断であれば治療をしなくても問題ありませんが、大きく断裂している場合は安静が必要となります。

後嚢破損

白内障手術では、濁った水晶体を超音波で砕きながら吸引して取り除きます。この工程で、水晶体を包んでいる嚢の後ろ側(後嚢)が破れてしまうことがあります。進行した白内障の場合、水晶体の核が固くなっているため、後嚢破損の発生頻度が高くなります。また、水晶体の濁りが嚢と癒着している「極白内障」でも起こりやすい合併症のひとつです。

水晶体落下

水晶体を吸引している過程で後嚢破損が起こると、破れたところから水晶体片が眼の奥(硝子体内)に落下することがあります。水晶体が落下してしまうと硝子体手術という別の術式で取り除く必要があります。落下した水晶体片を放置すると眼の中で溶け出すことがあり、眼圧上昇の原因になるため、早急な処置が求められます。

感染症

切開創から菌が入ると眼内で菌が増殖して感染症を引き起こします。白内障手術の場合、術前から抗菌薬の点眼を行いますが、これは感染症を予防するためです。眼の中は菌が増殖しやすい環境にありますので、術前から術後までの清潔管理が非常に重要になります。また、切開創が大きい場合や手術時間が長くなると感染症のリスクも上がります。

角膜内皮細胞の損傷

水晶体を吸引する超音波の影響によって、角膜の最も内側にある角膜内皮細胞にダメージを受けることがあります。眼内手術では、角膜内皮細胞の減少は必ず起こりますが、角膜内皮細胞は再生しないため手術によるダメージによって、安全値以下にまで細胞数が減少すると角膜が白く濁る角膜混濁が起こります。

水泡性角膜症

手術によって角膜内皮細胞が安全値以下にまで減少すると、角膜に入ってくる房水を眼内に戻す働きが弱まり、角膜表面(角膜上皮細胞)に水泡ができることがあります。
手術前には角膜内皮細胞の数を調べる検査を行いますが、長年コンタクトレンズを使用している方、レーザーによる虹彩切開術を受けている方、ぶどう膜炎などの炎症性疾患の罹患歴のある方は、もともと角膜内皮細胞が少なくなっている可能性がありますので注意が必要です。角膜混濁によって視力低下が起こると角膜移植が必要になる場合があります。

駆逐性出血

手術中に眼の奥から出血が起こることがあります。手術手技に問題が無くても突発的に出血が起こります。ひとたび出血が起こると非常に重篤な状態になり、失明に至る場合もあります。ただし、実際に起こる割合は、数万人~数十万人に一人と言われるほど非常に稀な合併症です。

チン小帯断裂

チン小帯とは、水晶体を支えている細い蜘蛛の糸のような非常に強い線維状の組織です。このチン小帯が弱っている場合、手術中に切れてしまうことがあります。一部分の断裂であれば引き続き手術を行うことができますが、広い範囲で断裂が起こると眼内レンズの挿入ができなくなる場合があります。この場合は、別の方法で眼内レンズを固定します。

黄班浮腫

糖尿病やぶどう膜炎などの罹患歴があると、網膜の中心にある黄班部に炎症が起こることがあります。物を見るために非常に重要な部分である黄班部に炎症が起こると、黄班部が腫れて黄班浮腫が起こることがあります。緑内障の治療薬の中には、副作用によって黄班浮腫を起こすものがあるため、他の点眼薬に変更することがあります。

高眼圧症

緑内障が原因で、もともと眼圧が高い方は、手術後さらに眼圧が上昇する場合があります。白内障手術では、角膜内皮細胞の損傷を予防するために、粘弾性物質を眼内に注入します。強度近視の方やもともと内皮細胞の数が少ない方には、この粘弾性物質を多く使用するため、眼圧が上昇することがあります。眼圧の上昇が見られた場合には、点眼薬や内服薬で治療を行いますが、思うように眼圧が下がらない場合は点滴による処置を行います。

眼内レンズの偏位

白内障手術で挿入した眼内レンズの位置がズレてしまうことをレンズの偏位といいます。後嚢破損やチン小帯の断裂など術中に起こるトラブルが原因となることもありますが、手術後に水晶体嚢が委縮することでレンズの位置がズレることがあります。眼内レンズがズレた場合は、乱視の発生や視力の低下が起こることがありますので、再手術による位置調整やレンズの再固定が必要となることがあります。

屈折誤差(度数ズレ)

手術前に予測していた度数と手術後の結果にズレが生じることがあります。白内障が大きく進行した方や、過去に屈折矯正手術を受けられている方、他に目の病気が認められる方に起こりやすい傾向があります。過去にレーシックなどの屈折矯正手術を受けている方は、屈折矯正手術を受けていることを申告することが重要です。また、レーシック手術時に受けた検査データをお持ちいただくと、レンズの計算時に元々の角膜状態を把握することができますので度数計算の参考になります。今後は、レーシックを受けられた方が、白内障手術を迎える時期になると思いますので、屈折矯正の専門医に相談されることをお勧めします。

後発白内障
手術後に眼内レンズを挿入した嚢の後ろ側に濁りが生じることがあります。これは水晶体上皮細胞の増殖が原因で、後嚢が部分的に厚くなることで起こります。発後発白内障は、顕微鏡下で確認するとほとんどの方に起こっている症状ですが、視力低下を自覚するようなケースの場合はレーザーによる治療を行います。レーザー治療を要する割合は5人に1人程度と言われています。