冨田実アイクリニック銀座

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眼精疲労

読書やパソコン作業など眼を持続的に使うと、眼に疲労感、重圧感、痛みなどを感じることがあります。症状が重くなると、全身にも疲労が広がり、頭痛や肩こり、吐き気などの症状が現れることがありますが、これを一般的に眼精疲労といいます。


眼精疲労の原因

眼に原因があるもの

<屈折異常による眼精疲労>

眼精疲労の最も多い原因として、近視・遠視・乱視などの屈折異常があげられます。屈折異常があると物が適正に見えないため、眼は無理にピントを合わせようとします。眼を無理に働かせることで眼精疲労が発生するのです。

遠視の場合

遠視の場合は、眼のピント調節機能が低下し始める30代後半から40代にかけて起こりやすい傾向があります

老視(老眼)の場合

老眼の症状が現れ始めると、遠視でなくても眼精疲労を感じることがあります。老眼の初期段階では、まだ小さな文字も読むことができるため、眼精疲労の原因が老眼によるものだとはわかりません。

近視の場合

近視の場合、メガネを作る時に遠くが良く見えるレンズを選ぶと、それが原因で眼精疲労を訴えるケースがあります。遠くが良く見えるメガネが必ずしも適しているとは限らないので、眼科を受診して正確な検査を行ったうえで、適正なメガネの処方をしてもらうことをお勧めします。

斜視などが原因となるもの

斜視とは、片方の眼は黒目が中心にあるのに、もう片方の眼の黒目が中心からずれているため、両眼で同時に物が見えない状態です。一方、普段は両眼視できていても、片方の眼を手で隠すと眼の位置がズレる状態を斜位と呼びます。斜視が原因で両眼視ができていない場合は、眼精疲労は起こりませんが、斜位が原因の場合は、眼が両眼視をしようと無理な働きをするため、眼精疲労が起こりやすくなります。水平方向(左右)の眼位の異常よりも、上下方向の眼位異常のほうが、眼精疲労が起こりやすいと言われています。

不等像視が原因になるもの

両眼の屈折値の差が大きい場合、レンズの度が左右で相当違う時などは、左右の眼に感じる映像の大きさが異なるため眼精疲労が起こります。この場合、メガネからコンタクトレンズに変えると眼精疲労が起こりにくい傾向があります。

眼の病気が原因となるもの

さかさまつ毛や結膜炎、角膜炎などの眼の病気によっても眼精疲労が起こります。最近では、眼精疲労の原因として、ドライアイが重要視されています。また、緑内障も眼精疲労の原因になります。緑内障の初期段階ではピントの調節力が低下してくることがあり、老眼を自覚し始めたと勘違いすることがあります。緑内障の一種である慢性閉塞隅角緑内障の場合は、時折、視界が霞みがかったように見え、眼精疲労を感じることがあります。

全身に原因があるもの

眼精疲労は全身の疾患によっても起こることがあります。高血圧や低血圧、貧血、糖尿病、 自律神経失調症、バセドウ病、月経異常など、様々な病気が原因で眼精疲労を引き起こします。

精神的なもの

職場や学校などで自分に合わないと感じた時などに起こる、心身症や神経症などが原因で眼精疲労が起こることがあります。

環境が原因となるもの

紫外線や赤外線、照明などの光の刺激が原因で眼精疲労が起こることがあります。最近注目されているのがVDT作業による眼精疲労があります。この眼精疲労はVDT症候群とも呼ばれています。また、クーラーの風やゴミなどの機械的な刺激によって起こる眼精疲労、ガスや有機溶剤などの化学的な刺激によって起こる眼精疲労があり、新築の家などでおこるシックハウス症候群が注目されています。

眼精疲労の現れ方

眼精疲労の症状としては、最初は眼が重たい感じがしますが、眼の痛み、ジンジンする、眼の霞み、眩しく感じる、眼の充血、涙が出るといった症状が現れます。全身的な症状としては、頭痛、肩こり、吐き気などが起こります。

検診と診断について

視力検査、視野検査、眼圧測定、顕微鏡検査、眼底検査などの眼科で行っている一般の検査を行い、考えられる原因を除外していきますが、調節機能の検査が最も重要です。 これらの検査を行い、眼に原因がないと考えられる場合は、全身検査を含めた精密検査が必要となることもございます。その際はしかるべき医療機関をご紹介させていただきます。

治療方法について

眼精疲労に対する治療法は原因によって異なりますので、まずは原因の究明が最も重要となります。原因として精神的なもの、環境的なものと思われる場合は、まずそれを除外してください。そうでない場合は、眼科を受診し、その後に内科の診察をお勧めします。

眼精疲労を和らげる方法

眼精疲労の治療については、症状によって様々ですが、軽度の場合は、メガネの度調整、ビタミン点眼、調節機能を改善する目薬の点眼などがあります。また、眼の周りを温める温罨法、眼の周りを冷やす冷罨法という方法があり、眼精疲労に効果があります。 血管は、冷やすと収縮し、温めると広がります。このように血管を刺激することで、血流を促進させ、眼や周辺筋肉の老廃物を取り除いてリフレッシュさせます。ただし、目の状態によっては温めないほうがいい場合もあるので、目が炎症を起こしている場合や充血している場合は冷やしたほうが効果的です。また,加湿器によって室内の乾燥を防いで、眼の保湿を促したり、マッサージなども効果があります。