ICL手術は、すべての方に適応となる手術ではありません。近視や乱視の度数、年齢、目の中のスペース、角膜内皮細胞数、白内障や緑内障などの眼疾患の有無を総合的に確認したうえで、手術が可能かどうかを判断します。

詳細な検査データをもとに手術の適応を診断します

ICL手術は、すべての方に適応となる手術ではありません。近視や乱視の度数、年齢、目の中のスペース、角膜内皮細胞数、白内障や緑内障などの眼疾患の有無を総合的に確認したうえで、手術が可能かどうかを判断します。

特にICLは、角膜を削るレーシックとは異なり、目の中にレンズを挿入する眼内手術です。そのため、単に「近視が強いから適応」というわけではなく、レンズを安全に入れられるだけのスペースがあるか、角膜内皮細胞数が十分に保たれているかなどを慎重に評価する必要があります。そのため、術前検査の結果をもとに、屈折矯正手術に精通した医師が適応を慎重に判断する必要があります。

ICL適応検査の様子

ICL手術の主な適応条件

  1. 年齢が原則18歳以上であること
    ICLは、近視や乱視の度数が安定してから行う手術です。若年層では近視がまだ進行していることがあるため、一般的には18歳以上が目安になります。
  2. 近視・乱視の度数がICLの適応範囲内であること
    EVO ICLでは、近視はおおむね-3.0D〜-18.0D、乱視は1.0D〜4.0Dが対象範囲として示されています。これは、レンズを制作できる範囲が決められているからです。プレミアムICLは、近視では-1.0D〜-30.0Dまで、乱視では0.50D〜10.00Dと非常に幅広く対応できるレンズです。特に、レーシックでは対応が難しい強度近視の方にとって、ICLは有力な選択肢になります。
  3. 前房深度が十分にあること
    ICLは、虹彩と水晶体の間にレンズを挿入します。そのため、目の中にレンズを安全に入れるための前房深度(スペース)が十分にあることが適応の条件となります。逆に、前房深度が浅い場合(目の中のスペースが狭い場合)は、手術が受けられないことがあります。前房深度が浅いと、レンズを入れるスペースが不足し、眼圧上昇や角膜内皮への影響などのリスクが高くなる可能性があるからです。
  4. 角膜内皮細胞数が十分にあること
    角膜内皮細胞は、角膜の透明性を保つために重要な細胞ですが、加齢に伴って徐々に減少していきます。また、コンタクトレンズの長期装用や眼内手術によっても減少します。そのため、手術の前に角膜内皮細胞数を確認する必要があります。角膜内皮細胞は再生しないため、細胞数が一定以上ないと手術が適応とならない場合があります。
  5. 白内障・緑内障・網膜疾患などがないこと
    白内障、緑内障、網膜疾患、ぶどう膜炎、眼圧が高い状態などがある場合は、ICLが適さないことがあります。これは、目の病気が原因で、ICL手術を受けても視力の回復が見込めないからです。また、目の病を治療する上で、レンズが邪魔になることもありますので、手術に向けた適応検査では、目の病気の有無についても詳しく調べます。
  6. 妊娠中・授乳中ではないこと
    妊娠中や授乳中は、ホルモンバランスの影響で度数が変動することがあります。また、手術や術後点眼の管理も慎重に考える必要があります。そのため、妊娠中・授乳中はICL手術の適応外または延期となることが一般的です。
  7. 手術について理解ができること
    ICL手術は自由診療の屈折矯正手術であり、医学的に緊急性のある治療ではありません。そのため、患者様が医師の説明、手術の内容を理解して自分の意思で同意できることが非常に重要です。検査の結果としてはICLが可能であっても、患者様が説明内容を十分に理解できない方や、説明を聞かない方、過度な期待で「絶対に希望通りに見える」とリスクを理解しない方は、手術が適応とならない場合があります。
  8. 感染症や全身疾患がないこと
    ICL手術は、目の中にレンズを挿入する眼内手術ですが、目の状態だけではなく、全身状態や感染症の有無も確認したうえで、手術が可能かどうかを判断する必要があります。HIV、B型肝炎、C型肝炎、梅毒などの感染症がある場合や、糖尿病、自己免疫疾患、免疫機能に影響する疾患などがある場合には、手術が適応とならない場合があります。
  9. 向精神薬を過剰に摂取していないこと
    抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、抗精神病薬などの向精神薬を複数服用している場合、必ずしも手術が受けられないというわけではありません。しかし、内服している薬の種類や病状によっては、目の乾燥、かすみ、瞳孔の変化、眼圧への影響、術後の見え方への不安などが問題になることがあります。また、ICL手術では、手術内容、起こり得るリスク、術後の注意点、定期検診の必要性について、患者様ご自身が十分に理解してもらう必要もあるため、精神的に安定していることも手術の適応条件になります。

様々な角度から手術の適応を診断するためには

屈折矯正の分野に精通している眼科専門医に相談しましょう。

ICL手術

ICL手術は、裸眼生活を手に入れるための有効な選択肢だと思いますが、検査を受けたからと言って、すべての方が適応となる手術ではありません。近視や乱視の程度、年齢、病気の有無、全身疾患の有無、精神的な要素などを総合的に確認したうえで、手術の適応を判断する必要があります。

IMPORTANT POINT

屈折矯正手術に精通した眼科専門医を選ぶことが大切

眼科専門医と言っても、得意分野が様々に分かれています。緑内障の治療が得意な医師もいれば、網膜の病気を得意としている医師もいます。ICL手術やレーシックなどの視力回復手術は、屈折矯正という分野に分類されますので、ICL手術を受けるのであれば、屈折矯正手術に精通した眼科専門医を選ぶことが重要なポイントになります。