ICL手術で使用される眼内コンタクトレンズには、主にEVO ICLとプレミアムICLという2つの種類があります。どちらも厚生労働省の承認を受けたレンズであり、日本国内のICL手術で使用されている眼内レンズです。
ICL手術で使用するレンズの種類について
ICL手術で使用される眼内コンタクトレンズには、主にKSアクアポート(通称:EVO ICL)とプレミアムICLという2つの種類があります。どちらも厚生労働省の承認を受けたレンズであり、日本国内で使用されているICL手術に使用する眼内レンズです。
EVO ICLとは?
EVO ICLは、ICL手術用の眼内レンズとしてSTAAR社(アメリカ)から発売されているレンズになります。ICLが初めて眼内に埋植されたのは1993年で、今から30年以上も前になります。STAAR社製のレンズは、コラーゲンとポリマーを合わせたコラマーという素材を使用していることが主な特徴として知られています。初期モデルのVisian ICLが2010年に厚生労働省の承認を受けていますが、当時のレンズは、中心に穴(ホール)のないモデルでしたので、手術を受ける際は虹彩に穴を開ける「虹彩切開術」が必要でした。
これが改良されて、レンズの中心に0.36mmの穴が設置されたホールタイプのICLとして登場したのがV4cモデル(通称:EVO ICL)になります。V4cモデルは、2011年に欧州でCEマークを取得。同年から欧州で導入が始まったレンズで、日本国内では2014年に厚生労働省の承認を受けています。
さらに、光学部を6.1mmまで大きく改良して登場したのがV5モデル(通称:EVO+ ICL)になります。STAAR社製のレンズは、ICL手術で広く使用されてきた代表的なレンズになります。日本国内でも長年使用されてきたレンズになるため、ICL手術を検討される方の中には、EVO ICLという名前を聞いたことがある方も多いかもしれません。長年の使用実績があるため、安心感を持たれる患者様も多いレンズです。
プレミアムICLとは?
プレミアムICLは、EyeOL社(イギリス)から発売されているレンズになります。EVO ICLより後に登場した新しいタイプの眼内コンタクトレンズで、日本でも2014年から使用が開始され、国内での実績も積み重ねられています。プレミアムICLの特徴は、なんと言っても、レンズ自体に合併症の抑制機能が組み込まれていることです。新しく発売されたレンズになるため、先に発売されたEVO ICLに知名度と実績は及びませんが、術後の合併症リスクを抑える工夫が施されたことで、次世代のICLとして世界中から注目されているレンズです。現在は、世界40か国以上で使用され、2013年以降15万件以上の手術実績があるレンズになります。また、2025年4月に日本の厚生労働省から認可を受けていますので、安全性においても承認されたレンズになります。
プレミアムICLが注目されるようになった3つの理由
1. 合併症の抑制機能に注目
プレミアムICLは、従来のレンズにはない合併症の抑制機能が追加され、ICL手術の安全性をより向上させたレンズであることを覚えておかなければなりません。ICL手術後には、必ず起こる訳ではないにしても、ハロー・グレア、一時的な眼圧上昇、緑内障、白内障といった合併症が起こる可能性があります。この合併症のリスクを軽減する機能が組み込まれたレンズとして登場したのが、プレミアムICLになります。
2. 度数の制作範囲が広い
プレミアムICLは、度数範囲が広いことも大きな特徴になります。近視・遠視で+15D〜-30D、乱視で+0.50D〜+10.00Dまで対応でき、制作できる度数の幅も細かく分かれています。軽度近視から高度近視まで対応でき、度数も0.5D刻みで患者様の視力により適したレンズを作成することができます。
3. レンズのサイズ展開が圧倒的に多い
プレミアムICLは、サイズ展開が多いことも注目されている要素になります。STAAR社製のレンズは4サイズしかありませんが、プレミアムICLは11.00mm〜14.00mmまで0.25mm刻みで13サイズが用意されています。眼の大きさや形状に合わせてレンズサイズを選びやすい点は、プレミアムICLの大きな利点でもあります。患者様の目によりフィットするレンズを準備することができますので、眼内での安定性がとても良好です。
| 項目 | EVO+ ICL | プレミアムICL |
|---|---|---|
| サイズ展開 | 4サイズ | 13サイズ(0.25mm刻み) |
| 近視対応範囲 | -3.0D〜-18.0D | +15D〜-30D |
| 乱視対応範囲 | 1.0D〜4.0D | +0.50D〜+10.00D |
素材はハイブリッドアクリルを使用
プレミアムICLは、動物由来成分を含まないハイブリッドアクリル素材を使用している点も大きな特徴です。プレミアムICLは、白内障手術でも長年使用されてきたハイブリッドアクリル素材で作られていますので、眼内手術で使用されている素材としての実績はコラマー素材をはるかに上回ります。目の中で、長期的に安定した機能を維持することができますので、素材としての安心感も高いレンズになります。
どちらのレンズで手術を受けても、視力に有意差はありません
EVO+ICLとプレミアムICLのどちらで手術を受けても、手術後の視力に有意差はありません。これは、世界的な眼科学会でも報告されています。
ただし、レンズが持つ機能には差がありますので、視力以外の部分に注目していただくことがポイントです。レンズの選定は、患者様一人ひとりの目の状態や生活スタイルに合わせて、医学的判断のもとに行われるべきものです。