ICL手術は日帰りで両眼20分前後と短時間で完了する視力回復手術ですが、適切な術前検査と術後の経過観察を含めた一連のプロセスがあります。本記事では、初診から術後1年検診までを時系列に沿って解説し、各ステップで気をつけたいポイントをお伝えします。

— 3-LINE SUMMARY

3行で理解する

  • 手術自体は両眼20分前後の日帰り手術。点眼麻酔のため注射は不要で、痛みもほとんどありません
  • 術後は翌日・3日後・1週間後・1ヶ月後・3ヶ月後の検診スケジュールを基本に、必要に応じて1年検診まで継続します
  • 術後1週間が最も重要な時期。仕事は3日後から、入浴・飲酒は1週間後から、運転は視力安定後が目安です

全体スケジュール(初診〜1年検診)

▶ 関連動画 手術当日の流れや準備について、冨田実医師が動画で解説しています。

ICL手術の全体の流れをまずは俯瞰しましょう。手術自体は1日で完了しますが、術前検査から術後の経過観察まで含めると約3〜4ヶ月の期間でフォローしていきます。

STEP 1

初診・カウンセリング

所要時間:約30分
医師との面談で、ICLについての説明を受け、ご自身の希望や不安を相談します。
STEP 2

適応検査(無料)

所要時間:約2〜3時間
視力・角膜形状・前房深度・角膜内皮細胞数などを精密に測定。手術可能かを判断します。
STEP 3

術前準備(手術日決定)

手術日まで:1週間〜1ヶ月程度
レンズの発注を行います。オーダーメイドレンズの場合は約1ヶ月の準備期間が必要です。
STEP 4

手術当日(両眼20分)

所要時間:手術自体は両眼20分前後
点眼麻酔で行う日帰り手術。手術後は安静室で休んだ後、ご帰宅いただけます。
STEP 5

術後翌日検診

手術翌日
視力検査と切開創の確認。多くの方はこの時点で視界がクリアになっています。
STEP 6

術後1週間 ── 最重要期間

3日後・1週間後の2回検診
感染症予防のために最も気をつけたい時期。点眼薬と生活制限を守ることが大切です。
STEP 7

1ヶ月・3ヶ月・1年検診

術後1ヶ月、3ヶ月、必要に応じて1年
視力の安定確認とレンズの位置確認。長期的な経過観察を行います。

STEP1: 初診・カウンセリング

初診では、まずICL手術についての全般的な説明を受けます。医師がレンズの仕組み、手術方法、メリット・デメリット、費用などを丁寧に説明します。

このタイミングで、視力の悩みや希望(裸眼でスポーツを楽しみたい、コンタクトの煩わしさから解放されたい等)、不安に思っている点(合併症リスク、術後の生活制限等)を遠慮なく相談しましょう。

初診で確認すること

STEP2: 適応検査(無料)

適応検査では、ICL手術が可能かどうかを判断するための精密な眼科検査を行います。所要時間は2〜3時間と長めですが、安全な手術のために重要な工程です。

適応検査

主な検査項目

検査の結果、すべての条件を満たした場合のみ手術が適応となります。当院では適応検査費用は手術費用に含まれているため、実質無料で受けていただけます。詳しい適応条件は「ICLの適応条件|年齢・度数・眼の状態をチェック」をご参照ください。

STEP3: 術前準備(手術日決定)

適応検査をクリアしたら、手術日の決定とレンズの発注を行います。

レンズの準備期間

オーダーメイドレンズは時間がかかりますが、目に合ったサイズを選べるためフィット感が高く、合併症リスクの軽減にもつながります。詳しくは「ICL手術で使用するレンズについて知ろう」をご覧ください。

手術前日の注意事項

STEP4: 手術当日(両眼20分)

手術当日は、両眼で約20分の処置で完了する日帰り手術です。痛みもほとんどありません。

手術当日の流れ

来院

受付・術前確認

所要時間:30分
受付後、最終的な視力検査と医師の診察。手術内容の最終確認を行います。
準備

点眼麻酔

所要時間:10〜15分
点眼薬での麻酔のため、注射は不要です。少ししみる感覚があることがあります。
手術

手術(両眼20分前後)

片眼10分/両眼20分前後
角膜の端に約2.5mmの切開創を作り、レンズを挿入。切開創は縫合せずとも自然に閉じます
回復

回復室で休息

所要時間:30分〜1時間
手術直後は視界がややぼやけているため、安静室でしばらく休みます。
帰宅

術後診察と帰宅

手術終了から1時間程度
医師の診察で問題がなければ、保護用サングラスを装着してご帰宅いただけます。
ICL手術の流れ

STEP5: 術後翌日検診

術後翌日の検診は必ず受診してください。視力と切開創の状態を確認します。

翌日の見え方

多くの方は翌日には視界がクリアになっています。手術当日よりも色が鮮明に感じられ、近くも遠くもくっきり見えるようになっています。ただし、新しい見え方に慣れるまで違和感が残ることもあります。

翌日にやるべきこと

翌日に避けるべきこと

— DO NOT

翌日から1週間は要注意

  • 仕事(術後3日目以降が目安)
  • 車の運転(視力安定後)
  • 洗顔(濡れタオルで拭く程度)
  • 洗髪(ご自身での洗髪は術後1週間後から。美容室で仰向け・介助による洗髪は術後3日後から可能)
  • 入浴(翌日から肩から下のシャワーは可)
  • メイク・アイケア商品
  • アルコール(炎症が長引く原因に。1週間控える)
  • 激しい運動

STEP6: 術後1週間 ── 最重要期間

ICL手術後の1週間は、感染症予防のためにもっとも重要な期間です。多くの方は視力の数値ばかり気にされますが、医師は切開創の治り具合や感染症の有無のほうを優先して確認します。

1週間の検診スケジュール

セルフケアで注意したいこと

術後の保護用サングラス

STEP7: 1ヶ月・3ヶ月・1年検診

術後1週間を過ぎると、生活制限の多くは解除されます。その後も定期的な検診で視力の安定とレンズの位置を確認していきます。

検診タイミング主な確認事項
術後1ヶ月検診
術後3ヶ月検診
術後1年検診

視力が安定すると検診を疎かにしがちですが、術後の定期検診も「手術の一部」とお考えください。早期にトラブルを発見できれば、対処も容易になります。

術後の生活制限まとめ

術後の生活制限を時期別にまとめました。具体的なスケジュール感を把握する参考にしてください。

項目再開・解禁の目安
軽作業・デスクワーク
力仕事
洗顔
洗髪(ご自身で)
洗髪(美容室・仰向け・介助あり)
入浴(首から下のシャワー)
入浴(湯船)
飲酒
メイク(アイメイク)
軽い運動(ウォーキング等)
激しい運動・球技
水泳・サウナ
車の運転

よくある質問(FAQ)

ICL手術は何時間かかりますか?
手術自体は片眼で約10分、両眼で20分前後で完了します。来院から帰宅までは、術前準備と術後の安静時間を含めて2〜3時間程度をご想定ください。日帰り手術ですので、当日中にご帰宅いただけます。
手術中に痛みはありますか?
点眼麻酔のため、痛みはほとんどありません。緊張による圧迫感を「痛い」と感じる方もいらっしゃいますが、緊張しやすい方には笑気麻酔もご用意しています。手術中は何が起こっているのかわからない状態で進みます。
手術翌日から仕事に行けますか?
デスクワークなど軽作業の場合、術後3日目検診で問題がなければ再開できます。力仕事の場合は術後1週間以降が目安です。視力が安定するまで違和感が残ることもありますので、ご自身の業務内容を考慮してスケジュールを組んでください。
術後の検診はいつまで通えばいいですか?
翌日・3日後・1週間後・1ヶ月後・3ヶ月後の検診が基本スケジュールです。経過によっては1年検診まで継続します。視力が安定した後も、レンズ位置の確認や角膜内皮細胞数のチェックなど、長期的な健康確認のために定期検診をおすすめしています。
まとめ

適切な検診と生活管理が、長期的な視力維持のカギ

ICL手術は両眼20分前後で完了する日帰り手術ですが、安全な手術と長期的な視力維持のためには、術前の精密検査と術後の経過観察が欠かせません。特に術後1週間は感染症予防のために最も重要な時期です。

「手術して終わり」ではなく、検診も含めた一連のプロセスを通じて目の健康を守ることが大切です。不安な点があれば、必ず医師に相談しながら計画を進めていきましょう。